バイナリーオプションのテクニカル分析でよく使われているインジケーター・オシレーターと言えば、「移動平均線」や「RSI」、「ストキャスティクス」や「MACD」などを連想する方が多いのではないだろうか。
主にバイナリーオプションは数分単位の中で、いかにわかりやすくエントリーポイントを見つけるかが重要になるので、これらのインジケーター・オシレーターが多くのトレーダーから支持されているということも頷ける。
しかし、バイナリーオプションだけに限らず投資という分野では、他のトレーダーが実践しているトレード手法をただ真似をして勝てるほど甘くはないだろう。
そこで、今回の記事ではバイナリーオプションのトレーダーの中でも、あまり使っているトレーダーが少ないであろう「一目均衡表」というインジケーターを使ったトレード手法をお伝えさせて頂こう。
今回の手法ではこの一目均衡表だけを使ったトレード手法を紹介させて頂くので、複数のインジケーターやオシレーターを使ったトレード手法ではないので、誰でもわかりやすく理解もしやすいトレード手法だ。
是非、バイナリーオプションで中々勝てずに困っている、これといって良いトレード手法が確立できていないという方は参考にして頂きたい。
目次
一目均衡表とはどのようなインジケーターなのか?
一目均衡表というインジケーターの名前だけ聞いても、いまいちどんな役割を果たすインジケーターなのかピンと来ない方も多いのではないだろうか。
実際にバイナリーオプションを使っているトレーダーの中でも、あまり一目均衡表を活用して結果を出しているトレーダーは見かけない。
しかし、一目均衡表はバイナリーオプションでの採用例が多くないだけで、十分バイナリーオプション攻略でも通用するインジケーターの1つだ。
まず初めに一目均衡表というインジケーターについて、基本的なインジケーターについての知識から、一目均衡表を構成しているそれぞれの指標の役割など、一目均衡表について徹底的に解説していきたいと思う。
一目均衡表誕生の経緯
一目均衡表が誕生した歴史は、なんと今から約80年ほど前の1935年(昭和10年)にまで遡る。
当時、都新聞商況部の部長として活動していた細田悟一氏が、2000人ほどの研究員を集めた私設研究所によって約7年の歳月をかけて完成させたインジケーターだ。
1935年に一目均衡表を発表した時は、「新東転換線」という名称で発表されたが戦後に細田悟一氏がペンネームを一目山人(いちもくさんじん)と改名したことをキッカケに、一目均衡表という名称で世界のトレーダーからも「Ichimoku」という名称で現在も尚愛用されるインジケーターとなった。
星の数ほどあるテクニカル分析用インジケーターの中でも、日本人が開発したポピュラーなインジケーターはそう多くないので、純国産のインジケーターでこれだけ世界中から注目されているという事実には驚きを隠せない。
一目均衡表の特徴
一目均衡表のインジケーターとしての大きな役割は、相場の方向が売りなのか買いなのか、どちらの方向にトレンドを形成しているかを見極めるという役割だ。
細田悟一氏の考えでは、相場の方向は買い手と売り手の均衡状態が崩れた方向に動くと考え、その均衡状態が崩れた時の方向を一目でわかるということに基づいて一目均衡表と名付けられている。
一目均衡表では、現在の価格と未来・直近・過去と3つの時間を軸を重要視し、相場の方向を可視化できることが一目均衡表の特徴だ。
かなり複雑に形成されているインジケーターなので、世界中のトレーダーを探しても一目均衡表について完全に理解しているトレーダーはほとんどいないと評されているほどである。
この記事で完全解説することも当然不可能なので、ここでは相場の方向が一目でわかるインジケーターという認識だけ持っておけば問題ないだろう。
一目均衡表を形成する5つの線
一目均衡表をチャート分析ツールのローソク足上に表示すると、5つの線と「雲」と呼ばれている範囲が表示される。
この5つの線が一目均衡表を形成しているので、それぞれの線が何を示しているのかを上記に表示させて頂いている画像をもとにお伝えさせて頂こう。
基準線(白)
上記の画像でおおよそ中間を推移している白い線が、一目均衡表の基準線と言われている線だ。
この線は過去26日間で、表示している通貨ペアの最高値と最低値の中間値を示している線になる。
わかりやすく説明すると、仮に上記の画像で表示しているドル円の通貨ペアの26日間の最高値が120円、最低値が110円だとしたらその中間である115円が基準線の示す数値だ。
この基準線が示す主な役割は、表示している通貨ペアの中期的な価格推移の平均値を示すという役割になる。
転換線(赤)
上記の画像で白い基準線の少し上を推移している赤い線が、一目均衡表の転換線と言われている線だ。
過去26日間の平均値を表示する基準線とは違い、転換線は過去9日間の最高値と最低値を示している線である。
中期的な価格推移を示す基準線に対して、転換線はより短期的な価格推移を示す線だ。
遅行スパン(紫)
上記の画像で紫色の線で表示されている線が、一目均衡表の遅行スパンと言われている線だ。
この遅行スパンは一目均衡表において過去を表示する線であり、少し複雑だが当日の終値を26日前となるようにこの線で表示されている。
冒頭一目均衡表について説明した時でも少し触れたが、一目均衡表は未来・直近・過去の3つの時間を軸にしているインジケーターであるので、遅行スパンはこれに当てはめると過去を表示する線だ。
先行スパンA(緑)
上記の画像で緑の線で表示されている線が、一目均衡表の先行スパンAと言われている線だ。
トレーダーによっては、先行スパンAではなく先行スパン1とも呼ばれていることもあるので注意したい。
先行スパンAは、基準線と転換線の中間となる値を、26日後の未来に置き換えて表示させている。
一目均衡表において非常に重要な線で、先ほどの未来・直近・過去の3つの時間軸で例えると先行スパンAは未来を表示している線だ。
先行スパンB(黄色)
そして最後に、上記の画像で黄色の線で表示している線が、一目均衡表の先行スパンBと言われている線だ。
こちらも先行スパンAと同様に、トレーダーによっては先行スパンBではなく先行スパン2と呼ばれていることもある。
先行スパンBは、過去52日間の最高値と最低値の中心値を26日後の未来に置き換えて表示している線だ。
そして、一目均衡表の代名詞と言われている「雲」とは、先行スパンAと先行スパンBを結んで生まれた範囲のことを指している。
一目均衡表を使ったトレード手法を解説
一目均衡表について基本的な情報をお伝えさせて頂いたところで、実際に一目均衡表がどのような形でバイナリーオプションのトレードで活用できるのかをお伝えさせて頂こう。
インジケーターの特徴として為替通貨ペアに発生するトレンドの方向がわかると解説させて頂いたが、為替通貨ペアの価格の方向がわかるという一目均衡表の特徴は、まさにバイナリーオプションのトレード手法で大いに期待ができる特徴だ。
その反面、一目均衡表を完全に使いこなしてエントリーポイントを見つけることは、他のバイナリーオプションのトレード手法と比べて若干難易度が高くなる。
そこで、実際に一目均衡表をバイナリーオプションで活用するために必要な、インジケーターの導入方法から実際に使うトレード手法までわかりやすく説明させて頂こうと思う。
是非これから紹介させて頂くトレード手法を見て、実際にバイナリーオプションで使ってみたいと判断した方は試してみてほしい。
一目均衡表をチャートに導入する方法
バイナリーオプションのトレード手法で一目均衡表を使うにしても、まずは使用しているテクニカル分析ツールに一目均衡表を表示させる必要がある。
もちろん、使用しているテクニカル分析用のチャートツールによって、導入方法は多少の違いがあるかもしれないがそこはご容赦願いたい。
今回の例では、バイナリーオプションのトレーダーから最も愛用されているチャート分析ツールである、「MetaTrader」というツールの場合での導入方法を解説させて頂こう。
2020年現在で主に使われているMetaTraderは大きく分けて2種類で、通称MT5と呼ばれている最新版の「MetaTrader5」と、通称MT4と呼ばれている1つ前のバージョンの「MetaTrader4」だ。
今回の記事では、これらの最もポピュラーなテクニカル分析ツールである、MT4とMT5で一目均衡表を導入する方法を解説させて頂こう。
まだこれらのMetaTraderシリーズをインストールしていない方は、インターネット上から簡単に無料で導入できるので、事前に手元に用意してから一目均衡表の導入準備を進めて頂きたい。
また、その他のテクニカル分析ツールを使っている方は、それぞれのツールごとに多少導入方法が違うことがあるので要注意だ。
まず下準備として上記の画像の通り、分析の対象となる通貨のローソク足をチャート上に表示する。
チャート上に表示する通貨ペアの時間足は、1分の判定時間でトレードしたいなた1分足、3分の判定時間でトレードしたいなら3分足と、任意の時間足で設定して頂いて構わない。
今回の例では判定時間1分でエントリーしたいので、ローソク足の時間足は1分で設定をしていく。
対象となるローソク足が準備できたら、このローソク足上に一目均衡表を表示する設定に取り掛かる。
MetaTraderで一目均衡表を表示するためには、画面上部の挿入タブからインジケーターを選択し、トレンド系という項目の中に「Ichimoku kinko hyo」か「Ichimoku」と表示されるのでこれを選択する。
こちらの一目均衡表を選択すると、一目均衡表を形成する線のそれぞれの色と、それぞれの線のパラメーターを入力することができるはずだ。
今回紹介させて頂くトレード手法では、一目均衡表の雲の部分だけを使いたいので、雲を形成するための先行スパンAと先行スパンBは任意の色で、その他の線は無色である「None」を選択する。
また、それぞれの線におけるパラメーターは基本的にデフォルトのままで問題ないが、念のためパラメーターのタブから以下の設定になっているか確認しておこう。
・基準線:26
・転換線:9
・先行スパンB:52
一目均衡表の全ての設定が問題なく完了すると、上記の画像のようにローソク足に一目均衡表の雲のみが表示されている状態になるはずだ。
このような状態にさえなっていれば、今回紹介させて頂く一目均衡表を使ったトレード手法に使うインジケーターは準備完了だ。
使用するインジケーターは一目均衡表しかないので、かなりシンプルかつ簡単に準備をすることができるだろう。
一目均衡表を使ったトレード手法
テクニカルチャート上に一目均衡表の準備ができたら、早速バイナリーオプションで使えるトレード手法を解説していきたいと思う。
バイナリーオプションのトレード手法といえば、トレンドの反発する転換点を狙う「逆張り手法」と、トレンドにそのまま乗っかる「順張り手法」の2つに分けることができる。
基本的に、バイナリーオプションのトレード手法はどちらか一方に特化した手法のことが多いが、今回紹介するトレード手法ではどちらの手法にも対応できることが特徴だ。
いくつか今回の一目均衡表を使ったトレード手法で、狙い目となるパターンを例を挙げながら紹介させて頂こう。
・雲の中から均衡状態が崩れた時
まず1つ目のパターンでは、上記の画像のように雲の中で価格推移が均衡している状態から、雲を突き抜けて大きくどちらかの方向にローソク足が動いた時だ。
赤いラインを引いたポイントがエントリーポイントとなり、雲の均衡状態が抜けた方向に順張りでエントリーを行う。
「一目で均衡状態が崩れた時の方向がわかる」という、一目均衡表の由来となっている理論に基づいたエントリー手法だ。
均衡状態が崩れた時からが順張りでのエントリーポイントで、トレンドが落ち着くまで連続でエントリーを入れることもできる。
チャート上の雲とローソク足を見ただけでエントリーポイントがわかるので、今回の手法では真っ先に狙っていきたい。
・雲からローソク足が跳ね返った時
上記の画像のパターンのように、一目均衡表の雲を基準に通貨ペアの価格推移が跳ね返ってくるパターンもある。
今回の一目均衡表のトレード手法では、雲を突き抜けてきた時の順張り手法だけでなく、赤いラインで示したが跳ね返りを狙った逆張りでエントリーポイントを探すことも可能だ。
一目均衡表には雲の上下をローソク足が抜けた時に、相場で発生しているトレンドの方向がわかるというだけでなく、雲の分厚さによってトレンドの強さを測ることもできる。
かなり簡単に説明してしまうと、実際に存在している雲と同じように雲が分厚ければローソク足が突き抜けにくいという性質があるのだ。
このように分厚い雲を基準にしてローソク足が跳ね返ったときは、まだトレンドが続くというサインになるので、このタイミングを狙って逆張りのエントリーをすることもできる。
・雲が薄くなっている方向に推移する時
一目均衡表が形成している雲のが厚くなっているところはローソク足が突き抜けにくいとお伝えさせて頂いたが、その逆パターンで一目均衡表の雲が薄くなっていると強いトレンドが発生しにくいという性質もある。
この一目均衡表の雲の特性を利用して、上記の画像のように雲が薄くなっている部分へ価格が推移しているところに、順張り手法でエントリーポイントを狙うという方法も1つだ。
今回の例としているパターンでは、赤いラインを引いたところから雲が薄くなりはじめ上昇トレンドが下降トレンドに切り替わっていることがわかる。
トレンド方向が変わったことを確認したところから、トレンド方向が落ち着くまでが順張り手法で狙うことができるエントリーポイントだ。
こちらのトレード手法も、価格変動が続いている限り連続でエントリーすることができるんので数分間でも一気に利益を実現することもできるだろう。
一目均衡表を使ったトレード手法のメリット
バイナリーオプションのトレード手法は、トレーダーの数だけトレード手法があると言っても過言ではなく、今回紹介させて頂いた一目均衡表を使ったトレード手法以外にも無数に存在している。
そんな数多くあるバイナリーオプションのトレード手法の中でも、何故一目均衡表を使ったトレード手法をこの記事で推奨しているのだろうか。
それは他でもなく、一目均衡表というインジケーターで得ることができるメリットがあるからだ。
そこで、簡単に一目均衡表で得ることができるメリットを、大きく分けで3つのポイントに分けてお伝えさせて頂こう。
もし他のトレード手法と比べて採用するか迷っている方は、是非これらの一目均衡表ならではのメリットを参考にして頂けると幸いだ。
イレギュラーな指標が少ない
この記事で何度も解説しているが、一目均衡表は未来・過去・直近といった複数の時系列で形成した基準線を元に作られている。
バイナリーオプションで使われている他のインジケーターでは、過去何日間と現在の相場を比較して指標を割り出していることが多い。
そのため、もし指標の元となっている期間でイレギュラーが発生している場合は、インジケーターで表示されている数値が濁ってしまうこともある。
一方、一目均衡表は複雑な時系列で形成されているインジケーターなので、一部の期間でイレギュラーが発生したとしてもインジケーターで表示されている数値が濁ることは少ない。
常に安定したトレードが完全に実現するわけではないが、多少のイレギュラーが発生したとしてもインジケーター自体の機能が低下することが少ないというのが一目均衡表を使うメリットの1つだ。
見た目だけでトレンド分析をすることができる
一目均衡表ならではの代名詞といえば、チャート上で先行スパンAと先行スパンBを結んで形成する雲だ。
この一目均衡表が形成する雲のように、ビジュアルだけでトレンド分析ができるインジケーターは一目均衡表くらいである。
よって、他のトレード手法では様々な数値やシグナルを分析することが多いが、一目均衡表はその見た目だけである程度トレンドを推測できることが強みだ。
バイナリーオプションは数分単位の価格変動の中で、いかに素早くエントリーポイントを見つけることができるかが非常に重要なので、その点では見た目で判別できる一目均衡表は分析が簡単になる。
様々なエントリーポイントがある
エントリーポイントの紹介でも触れたが、一目均衡表を使うことで順張り手法・逆張り手法どちらか一辺倒にならず、様々な相場でも柔軟に対応することができる。
バイナリーオプションにおいては、1時間でどれくらいエントリーポイントがあるかどうかも重要視されることなので、多くエントリーポイントを見つけられることは一目均衡表の大きな特徴だ。
エントリーポイントが増えることで利益をより多く出せる期待値ももちろんあるが、バイナリーオプションで取引する時間帯やシチュエーションも厳選せずに済むようになる。
副業でバイナリーオプション取引をしていて、取引できる時間帯が限られている方には一目均衡表だけを使ったこの手法が非常におすすめだ。
一目均衡表を使ったトレード手法のデメリット
一目均衡表を使ったトレード手法のメリットを紹介させて頂いたが、もちろん他のトレード手法と比べた時のデメリットも存在している。
実際にこのトレード手法を使うとしても、ちゃんとデメリットと向き合っていないとトレードする時に思ったような結果が得られなかったり、気づかなかった落とし穴にハマってしまうことも考えられるだろう。
一目均衡表を使うデメリットは大きく分けて2つのデメリットがある。
インジケーターを使うメリットだけに気を取られずに、一目均衡表を使うデメリットも知ったうえでトレードすることが大切だ。
複雑な分析になりやすい
一目均衡表は見た目だけでトレンド分析ができるとお伝えしたが、あくまでも見た目でエントリーポイントが探しやすいだけであり、そこからエントリーできるかどうかトレーダーの判断が必要だ。
何本も基準線を使っている複雑なインジケーターなので、一目均衡表を構成する線それぞれの用語の理解やエントリーポイントを見極めるのは他のトレード手法よりも難しい。
簡単に実践できるトレード手法というよりも、トレード手法そのものの練度を上げてより分析が正確にできるようになる必要がある。
他のインジケーターを組み合わせにくい
バイナリーオプションのテクニカル分析は、基本的に複数のインジケーターやオシレーターを組み合わせてテクニカル分析をすることがほとんどだ。
一目均衡表も他のインジケーター・オシレーターを組み合わせて使うことも可能だが、単体だけでも複雑な一目均衡表に他のインジケーター・オシレーターを組み合わせることで逆にわかりにくくなってしまうことも考えられる。
特に、バイナリーオプションのテクニカル分析は分析のわかりやすさが大事なので、複数のインジケーターを組み合わせて分析の精度が上がったとしてもわかりにくかったら逆効果になるかもしれないので注意だ。
まとめ
今回の記事では、バイナリーオプションで使える一目均衡表だけを使ったトレード手法をお伝えさせていただいた。
長短がはっきりとしているトレード手法なので、実際に運用して使いこなすことが難しいトレード手法かもしれないが、手法を身につけてしまえばかなり大きな武器になるので、是非一度試してみてはいかがだろうか。
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