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FXインジケーターエンベローブ とは
エンベロープは移動平均を応用したテクニカル分析の手法です。エンベロープとは「包むもの、覆うもの」という意味があります。
この指標は、移動平均線を一本引き、それに平行となる線を上下にずらして追加したものです。
上下の平行線がまるでローソク足を包んでいるように見えるので、エンベロープと呼ばれています。また、上下の線に囲まれたエリアをバンドと言います。
このエンベロープを使って、レートが移動平均線からどの程度離れているのかを見ていきます。
また、2つの平行線はサポートライン、又はレジスタンスラインとして働きます。エンベロープは、長期的にレートは移動平均線に収束するという点に着目して作成されました。
エンベロープの設定
移動平均線からの乖離の幅をどのように設定するのかは決まっていませんが、一般的には25日移動平均線を基準にして、上下1%、2%、3%乖離したところにエンベロープを設定するということが多いです。
但しこれはあくまでも目安ですので、変えても大丈夫です。
乖離幅の設定のポイントとしては、週足などの大きな時間足で見る場合は変動幅が大きくなるので、10%や15%などの数値を当てはめてみてもよいかと思います。
いずれにせよ、通貨ペア、時間足ごとに過去チャートの推移をみながら乖離幅の分析をするのがいいいでしょう。
エンベロープのトレード手法
エンベロープを使ったトレードはとてもシンプルです。順張りにも逆張りにも使えるインディケーターです。まず、買いシグナルは次のようになります。
①エンベロープの下限で買い(逆張り)
②25日移動平均を上抜けた時(順張り)
また、売りシグナルは次のようになります。
①エンベロープの上限(逆張り)
②25日移動平均を下抜けた時(順張り)
このように、エンベロープのバンドの外側にはみ出すと、「買いすぎ」または「売られすぎ」とみなされるので逆張りをします。
そして、移動平均線を上抜け、または下抜けした場合には順張りができます。このように、エンベロープの中を行ったり来たりする価格を追っかけていくという手法になります。
ただし、乖離幅の設定はとても大切になってきます。幅が狭いとダマシが頻発するの、設定には注意しましょう。
またエンベロープは、上下にボラティリティが大きいレンジ相場では有効ですが、強いトレンドが出ている場合は不向きです。
エンベロープの注意点
4-1 トレンドの転換時に起きるエンベロープからの逸脱
トレンドが転換するとき、エンベロープが大きく逸脱することがあります。この場合は逆張りを仕掛けるのが一般的なトレード手法です。
しかしそのままトレンドが始まってしまったら、大きな損失となることがあるので、相場をしっかり見極めてからのエントリーをするようにしてください。
4-2 世界的に大きなニュース、出来事が起こった場合
「ギリシャショック」や、「イギリスのEU離脱の国民投票」のような大きなイベントがあると、相場が急変します。こうした時にはエンベロープの手法は機能しません。これはどのテクニカル指標にも同じことが言えます。
4-3 ボラティリティが小さいときは注意
エンベロープはレンジ相場で有効ですが、ボラティリティが小さいときはスプレッド分以上に稼げないことがあるので注意して下さい。
ボリンジャーバンドとの違い
エンベロープはボリンジャーバンドと形状がよく似ています。
しかし仕組みが全く異なります。ボリンジャーバンドのラインは、標準偏差によって価格が当てはめられたものです。
よって、価格変動が大きくなるとバンドの幅が広がったり、価格変動が小さくなると幅が縮まったりします。
ところがエンベロープは真ん中にある25日移動平均線を基準として、その上下に平行線が引かれたものになります。よって、ボリンジャーバンドのようなバンドの広がりや収縮はありません。ずっと平行線が一定幅で形成されています。
まとめ
このようにエンベロープはレンジに強いテクニカル指標です。FXの相場はほとんどレンジ相場だと言われているので、エンベロープの活躍範囲は広そうです。
但し、ローソク足がエンベロープにタッチしたら単純に売り、又は買いであると安易に売買判断を下すのは要注意です。
例えば、トレンドが緩やかに続いている中で、価格が上昇しているときは、エンベロープに沿って価格が動く傾向があるのです。よってエンベロープにタッチしただけで売買判断を下すと、レートが思惑とは逆行してしまい、大きな損失になってしまいます。
エンベロープだけではありませんが、テクニカル指標を使って売買タイミングを図る時は、相場の環境認識をすることが重要です。今トレンドが出ているのか、それともレンジ相場なのかといったことは必ずチェックしましょう。
また、テクニカル指標を使う時は2種類を組み合わせる手法も有効であると言われています。その際は、トレンド系テクニカル指標と、オシレーター系テクニカル指標を組み合わせると相性がいいでしょう。
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